ドアエッチングガラス(住宅アートガラス)

模様をシルエットだけで表す、平彫りという技法の飾り模様、ドアエッチングガラスです。

今回は彫りも浅く、シンプルなものというリクエスト、深さは0.1ミリ~0,2ミリくらいです。2枚同じものが、両開きの扉に設置されます。

エッチングガラスやサンドブラストとの呼称で言われていますが、サンドブラストはけす技法、エッチングガラスは段々に彫り重ねる技法とイメージすればよろしいかと思います。

本来はエッチングガラスとは薬品でガラスを溶かしていく技法ですが、現在はほぼ絶滅したので、現在は装飾的な技法のガラスの呼び名になっています。

このサンドブラストでの浅い彫りでシルエットの表現が基本となります。

この基本を突き詰めていくと、立体彫刻です。業界では「肉彫り」と昔は言われていますが、今は肉彫りとはあまり言いません。立体的なんで肉って言ったようですが、なんかあまり好きな呼び方でないです。

 

こちらが本来のエッチングガラスと言う技法。薬品3種類と技法4種類で質感を出す技法。

ヨーロッパの飲食店やホテルでは、数十年前のエッチングガラスをよく見ます。

日本では出来ない、って言われますが出来ます。この写真は当工房で復元したエッチングガラスの一枚。

ヨーロッパのエッチングガラスを何度も何度も見て、日本の設備でどうやったら出来るかを探してゆけば、出来ます。

ただ技法的に時間と手間は必要です。

原寸の下絵から質感を計算して描き、模様も制作工程が複雑ですが、決まればヨーロッパです。

これは下絵、大きさは20センチくらい、これを原寸にしてゆがみを調整し、下準備に3工程かけ、仕上げに4工程かければ、本来のエッチングガラスが出来ます。

でも7工程中、ひと工程でもミスるとダメなので、ひじょ~に難しいです。