細かいエッチングガラス(墓石ガラス)

デザイン画が細かい場合や線が細い場合、ハンドカットですと表現がきれいに出なさそうなときには、特殊なマスク材を作って、彫刻します。

各ガラス工房さんでいろいろなマスク材があるようですが、我々はもう30年以上、旭化成のマスク材を使っています。描いた版下を専門会社が作ってくれます。

自社でマスクを作る工房さんも多いですが、マスクの専門会社は高度なマスクテクニックを駆使してくれますので、安心感があります。

彫刻用のマスク材と言っても、原寸版下は描かなければなりません。今の時代パソコンで描く人も多いですが、我々はフリーハンドで描いた方が速いので、未だにパソコンで描けません。でも停電でも仕事が出来ます。

写真はステンドグラス材でブルーとクリアーのキセガラスに、ステンド作家さんが描いたデザインを彫刻したもの。この完成したエッチングガラスを他のステンドグラスと組み合わせて、作品展に出品と言っていました。

ステンド作家さんが紙に描いたスケッチを清書して特殊マスクを作り、ブルーの地を彫刻。

このくらいのデザインだと線が細く円形が多いので、版下描きはちょっとシビアです。決めるところをビシッと決めないと、だらしなく見えてしまうのでいろいろな定規を使い倒します。

現在進行中の墓石アートガラスの絵。

ご僧侶が描いた墨絵ですが、素晴らしいです。棟方志功のような温かさ、柔らかさ。

しかしこのままではガラスの彫刻が出来ませんので、一枚一枚、特殊マスク用にしていきます。元の絵を崩さないように黒くペタペタと、18枚あるので時間がかかります。

同時進行でガラスの表、裏に彫ったサンプルを提出。

文章や写真ではなかなかニュアンスが伝わりにくいので、アートガラス自体のサンプルを提出しますと、進行がスムースに行きます。