スケッチを頂いてステンド仕様にし制作した薔薇ステンドです。
大きさは縦60センチ、横40cmくらいの楕円形。楕円の場合、「正楕円」という言葉を知っておくと、自然に楕円の形は決まってきます。これであれば取り付く壁や枠とも大きさが共有できるので安心。
アートガラス全般、寸法が一番重要でクリアランスが2~3ミリなので、きれいに設置できるまで気になります。どんなに素敵なものを作っても寸法が大きすぎたり小さすぎたりで設置できなければ、オジャン。
ステンドグラスの色ガラスはピンクが一番お高い。理由は他の多くのガラスは科学的な色出しが可能になりましたが、ピンクは金を使わないと出ないこと。ですので濃いピンクガラスほどお高いです。物によってはノーマルなステンド材の10倍以上。
今回、ベースはクリア系でなく乳白系。光の当たり方で薄い水色や黄色っぽく見えたりで、好きな素材。
ご自分のスケッチがステンドグラスやエッチングガラスになると愛着も増します。
ステンドグラスも絵付け技法ですとけっこう細かく表現できます。
100年前くらいのヨーロッパ技法で、当時はステンド制作と絵描きが分業の仕事が多かったので、素晴らしいステンドグラスが多くあります。色ガラスの手焼きでしたので質感、色味も格段に素晴らしい。
絵付けは技法は手間と時間が必要です。
昔のヨーロッパの教会は、字を読めない人の為に絵で教えを説いたため。いわゆる超高級な紙芝居。ですので昨今の欧米の教会の新規ステンドグラスは具象的なアートデザイン感が強いものが多いです。
その昔、紙芝居やさんが売っていた「かた抜き」って絶対にうまく抜けないな、って大人になるとわかりますが、子供は懸命になりました。
おおらかな時代、オイラは好きです。