地図のエッチングガラス(公共施設エッチングアートガラス)

ご依頼される方からのデザインは様々です。会社の支社がある地域をエッチングガラスで表現したい、ともリクエストでした。

今は資料検索もパソコンで調べることが容易になりましたが、20年前くらいまでは、資料集めに苦労したものです。図書館へ行っても希望の資料が無いことのほうが多かったです。

このエッチングガラスで特に気を使った部分は、円、丸のライン。

丸は少しでも歪むと、誰の目にもわかってしまいます。しかも2ミリほどのラインで、円が重なっちゃてるわけで。

またこのような日本地図は、より細かい部分まで表現することで落ち着き感が出ると思います。

日本地図自体は50センチほどでしたが、以前に制作した世界地図はワイド4mくらい。しかも世界地図を10ミリの丸で表現。

そんな地図はどこにも無いので、世界地図を描いて原寸大にして、10ミリ丸をひとつひとつ、2ミリあきでレイアウトしました。

なじみのある国でしたらなんとなく形はわかりますが、イントネシアあたりの島だらけの部分はTU君と共に頭がこんがらがってしまった。

10ミリ丸もこれだけ並ぶと、縦横可能な限り合わせないと丸が踊ってしまうので、非常に苦労した思いがあります。

デザインは様々、今進んでいるデザインは、蓮、桜、松、楓の植物関係、カモメと波、花と波のアートガラス、そして仏像ですが、よく頭が混乱しないですね、と言われます。我々は作家さんのような決まったモチーフはないんで、リクエストをより格好良く形にする職人仕事。

ですのでクリエーターではなく、アレンジャーです。おいらの一番好きなデザインは海外ではアールデコ、日本では寺社仏閣の欄間です。

昔の職人さん仕事はすごいと思いますが、理由のひとつにテレビなどが無かったから、って思っています。仕事だけが中心、現在はまわりにいっぱい飛び込んでくる情報だらけなんで、仕事だけというわけにはいきませんもんね。

世の中、便利にはなりましたが、人は豊かで幸せにはなったのかな・・・