アートガラスオブジェ(建築積層ガラス)

マンションのエントランスへ積層接着アートガラスのオブジェ、設置完了です。

今回の注意点は高さが80センチで総重量が100キロ以内、とのご指示。3点ほどデザインし、こちらへ決定しました。

一本が800x250x奥行き150ミリくらいを素直に3本、作ると総重量が200キロを超えます。スライスして三角状にし、さらに部分的に空間をとり、100キロにしました。もう片手にスケッチ、片手に電卓で、嫌いな数学です。

三角状にしたことで正面の磨いた小口は82度くらいの傾斜になります。こちらは計算でなく、原寸大の形を描いて、分度器で計ればすぐに出ます。

一体型だと100キロを持ち上げるには不安定な形なので、マンションが3棟シリーズと言うことを聞き、3ピースにしました。一本約33キロでしたら設置も容易です。

ガラスを積層接着する場合は小さなものでしたら容易ですが、大きな場合は太陽光が当たらない部屋、なければ窓を黒いもので覆い、暗室状態にします。こうすれば、仮接着時でもガラスの位置の修正ができます。

逆に一度くっつくと剥がれませんので、積層接着ガラスは大きなほどエネルギーを使います。

また室内、室外の設置条件でも、アートガラス全般、使うガラス材、制作技法などが変わります。特に室外、屋外では太陽光、気温や湿度の高低、台風などの風圧など、厳しい条件なのでノウハウが必要になります。

先日の逆に進んだ台風で、海面に面している熱海のホテルの大きなガラスが割れていましたが、原因は波ではなく高潮で海面の重さがもろにガラスにかかってきた状態。どんなに厚いガラスでも、海自体の圧力には負けます。

いままであの位置は風上だったのが、今回は逆の台風進路で風下だったので、ガラス屋もびっくり。台風が逆に進路とるなんて誰も考えなかったと思います。

巨大な水槽のように合わせ強化ガラスの厚いものでなければ、また割れてしまい、海なので足場を組むことも大型のクレーン車が入ることも困難でしょうから、同じイメージで復旧できるのだろうか?とそちらのほうが気になる私。