細かい苔の岩の間をしぶきを上げて流れる滝、すべてが従来のサンドブラスト、エッチングガラスでは表現がなかなか厳しいモチーフです。
しかもガラスは強化ガラスですので深くは彫れませんが、浅いと表現がどうしても弱くなるので、陰影加工を施します。
しぶきの表現は元になるイメージを手描きして、特殊なマスクを作りました。
全体の長さは5mくらいです。この後、60cmx2mくらいの風景、7枚と縄文杉が控えています。
難しい表現ですが、出された宿題を悩み進めていくことで新たな技法が確立できます。またそのような状態でないと、なかなか自分らで開発など出来ないものです。
強化ガラスには彫れない、という工房さんが多い中、強化ガラスにも彫れます。
ただし通常ガラスとは違う表現方法でレベル上げていきます。
そごう 懐かしい写真です。これは日本最大級のそごう横浜店の正面玄関の2.4mくらいの強化ガラス扉、全部で8枚くらい彫りました。
そごうのダリアの花、細かい決まりがあり、何度も打ち合わせたことも懐かしい思い出。
あれから時間が経ち、日本中のデパートが姿を消していきました。子供の頃なんて親とデパートに行くときは、よそ行きの服に着替えさせられたものです。
入り口にあったお菓子がいっぱい乗った回転するものをただ見ていて、お楽しみは最上階の食堂、最上階って言っても4階建てくらいで、お子様ランチの旗を大切に持って帰ったデパートが別世界の時代。
屋上はペット売り場、主に魚と鳥。熱帯魚のエンゼルフィッシュなんて鮒やメダカを追いかけてる自分らには、もうお金持ち感プンプン。
エレベーターはきれいなお姉さんが運転してくれていました。ポ~っと見上げる夏は入るとエアコン、当時はクーラーが効いてて、もう極楽。
今よりも不便なこともたくさんあったけども、人の体温、ぬくもりは今でも残っています。
ほぼ原始人の自分は、世の中これ以上進歩しなくても良いのではないか、とも思っている、ひな祭りの日。