新しい表現技法を探り中

ここ2か月間、屋久島の苔で覆われている滝の森のデザインを数十枚描いています。デザインもさることながら、苔むした岩々や奥深い木々の彫刻表現をT氏とともに、また2か月間試行錯誤しています。

彫刻に適しているのは輪郭線がはっきりしたものですが、水や空気、茂った森や苔むした岩などはなかなかに表現が厳しいモチーフです。

水や空気はイメージで表現しますが、茂った木々などは輪郭線をはっきりさせることが多いです。しかし今回はこの技法ではメルヘン的になり、要望されている空気感はでません。

このように輪郭線をはっきりさせるとメルヘン的なデザインは良いのですが、今回は具象的なイメージ。

木々の技法の一枚、輪郭線がなく自然に葉っぱの集まりが消えてゆくイメージ。

この自然に消えてゆく技法がけっこう悩みました。消えゆく部分もしっかりと彫らないと、木々はボカシた技法では、自然には見えないんです。

 

苔むした岩々、この岩表現技法まで延べ30日はかかっとります。

これが苔の岩に一番近い表現。大きさがワイド1,6m、高さが2mなのでまずは第一印象が大切。苔部分は3回彫っています。

新たなデザインを要望されると、こうすれば出来るかな?を繰り返します。

デザインや技法表現を探ってゆく作業は、実はとても大変な作業。苦しい作業をいってもいいです。でも課題がなければ、なかなか技法は探らないので宿題と同じ様に技法を探るチャンスでもあります。

これがクリアできれば、また技法の宝は増えます。