ミュシャエッチングガラスの時に書きました、チェコのプラハに見に行きたいミュシャのステンドグラスです。しかしチェコは遠い。
色やデザインの素晴らしさは当然ですが、上の変形丸窓のデザインレイアウトがもう素晴らしすぎです。このような丸い変形部分は、飾りや花などが基本ですが、ミュシャは手を広げているキリストや女性像を表現しています。
ミュシャのステンドグラスの世界はもう完成形ですので、唯一無二。ビートルズのようなもの。
しかしミュシャはエッチングガラスは制作していませんので、そちらの方で少しでもミュシャの世界観が出れば、と思います。
カラーアート加工ガラスの制作風景。一枚が1mx1,2mくらいの異形。
グラデーション加工はものすごく難しいです。その分、決まればきれい。決まらない場合は納得するまでやり直し。
そしてガラス専用色材は柔らかい固形ですので、よく溶かしてもどうしても塊が溶けきりません。小さな色の塊があると、彩色時にその塊が0.5ミリくらいでガラスに飛びます。これが嫌なんで、よく溶かした色材を今度は漉します。漉す専用道具なんてないので、自分らで見つけます。
そして色材を吹きつける道具も調子が完璧でないと、うまく均一にガラスに色がのってくれません。
基本、様々なアートガラスの技法は、自分たちで探していかなければなりません。ただ彫っただけでは、様々な要望の表現が狭くなってしまいます。
前に、アートガラス専門学校で様々な技法を講義してほしいくらい、と言ってくれましたが、まだまだ当工房は現役なのでごめんなさい。マジシャンは種明かしは出来ませんでしょ。それに教えたからと言って、すぐに出来るものでもありません。
例えばスワロフスキーは裏がミラーですが、そのミラーを剥く技法を見つければ、剥くのは10000個でもひとりで1日間で剥けます。
他の工房さんが出来るのに自分らが出来ない、は眠れない日が続くので、何としても見つけなければなりません。これ、どうやって作ったの、は大好物。
そのひとつひとつが、ノウハウになります。
自分らが見つけたので、見つかりますよ。