飾り模様のエッチングガラス1(店舗・住宅エッチングガラスアート)

飾り模様のエッチングガラスの製作風景です。

大きさは約1300ミリ各。どんなに大きくても小さくてもエッチングガラスやステンドグラスではすべて原寸の下絵から描きます。建築アートガラスでは、ガラスが大きいなぁ、と身構えるのは2,7m以上から。2,4mくらいまでは天井高くらいなので、それ以上は移動することに熟練を必要とするので自然と身構えるわけです。

ガラス屋にとって怖いのは、大きさでなくて薄さ。大きなガラスや厚いガラスよりも薄いガラスのほうが怖い。

エッチングガラスの場合はマスキングビニルテープを貼ったガラスに鉛筆で描いた原寸をこすって転写、硬いもので懸命にこするアナログ作業です。ですので鉛筆(専用シャーペン)は2Bを使っています。

転写したら、デザインカッターでカット。彫る順番で先に剥く場所はテープを剥いておきます。

今回は段々に彫っていく「段彫り」という技法。

ガラスを乗せているものを「下駄」っていいます。市販はされていないので、木で作ります。木に床材の絨毯を貼ると、さらに安心。

彫刻仕上がったデザイン。ここでの注意点は剥き忘れ=彫り忘れがないか、チェック。

剥いて彫って、剥いて彫って、を数百回繰り返すので、剥き忘れはします、人間だもの。

このあとは陰影加工をしていきます。彫っただけの工房さんもありますが、建築アートガラスでは彫っただけではインパクトがどうしても弱い。

ガラスを乗せる「下駄」を初め、ガラス業界ではスラングで呼ぶものが多数あります。

「タコ」=ガラスの吸盤をタコって呼びます。サクションリフター、ガラスサッカーと外国では言いますが、日本のガラス職人は言いやすくタコ。

「ハサミ」=ガラス板を左右で挟む道具。正式名称は知りませんが、一個¥60000円もします。最低2個必要です。

「馬」=街中で見るガラスを積むトラックの荷台に載っているもの。日本は荷台の上に積みますが、海外は荷台の横です。大きなトラックでは、横のガラス積むところが電動で下がって、ガラスを持ち上げなくても横移動で積める様になっています。海外は道が広いので横積みですが、道が狭い日本では横積みは厳しい。

アメリカではいちから街を作ったので主要な道路の巾が12m以上と日本の倍以上ありますが、これは大きな消防車がUターン出来る巾が基準。

「ポニー」=現場で移動する用の車付きの小さな馬だから「ポニー」 この他にもいろいろ、専門業界ごとにスラングありますので、慣れるまではちょっと戸惑う。