鳥のエッチングガラス(建築アートガラス・ガラスオブジェ)

大きな翼の記事を載せたところ、小さな翼、鳥の表現の質問がありました。

鳥や魚など小動物の場合は、彫刻だけではどうしてもインパクトさが少ないので、陰影や質感が出るようにがんばります。質感を出す技法はどの工房さんでもオリジナルなのでまず教えてはくれませんが、毎日考えてるとある日、ひらめきますよ。

ちなみにオイラは最初のひとつの技法に2年かかりました。ひとつの技法が生まれれば、応用して様々な技法が見えてきます。

この鳥は20cmくらい、部分的に陰影加工して頭や背中は細かい羽イメージを彫っています。動物で気をつけるところは、目。目の彫り方は、ただ彫っちゃうと出目金状態になりますので、工夫が必要です。

 

一枚の板ガラスに彫ったものを組み合わせれば、アートガラス・ガラスオブジェ。

斜めのガラスは厚さが25ミリとガラスの最大厚さ、それに15ミリのガラスに鳥を彫って、斜め接着。

基本は斜め接着はお勧めしませんが、特殊なご希望で斜めに接着。もう10年ほど経ちますが、しっかりと着いています。

接着剤はどんなものでも完全ではなく、また大きな力よりも弱い力が何回も何回も負荷が架かるほうがまずいです。針金を何回も曲げていると切れるようなもの。ですので、斜め接着はあまり触らない条件でないとお勧めしません。常時、見張っていることが出来ませんのでね。

ガラス接着は基本、完全透明接着を目指しますが、接着剤の性質上、どうしても0,5~1ミリほどの気泡が数個、生まれます。大きな面積ほど生まれやすい。気泡が入るのではなくて、生まれる。

言われないとわからない気泡ですがやはりいやなので、いつも気泡ゼロを目指して挑みます。小さな面積は比較的に楽ですよ。

ガラスの接着剤は数社ですが、それぞれに特性があります。ご自分の仕事に合ったものを探して使えば良いでしょう。どのメーカーの接着剤でも、ガラスの凸凹の激しいものは不向きです。多少の凸凹だったらOKですが、試作は必要。

下のガラス台は奥行きが20cm近くなので、大人3人でやっとこさ、持てる重さ。オブジェは考えるのが楽しい仕事ですが、非常にデザインをまとめることが難しいと感じます。