ベベルドステンドグラス(建築・店舗アートステンドグラス)

ベベルド(面取り)のガラスを組むアートステンドグラス、完成しました。

通常は片面が面取りで片面はフラットなガラスを組んでいくのがベベルドステンドですが、今回は両方に面取りがある仕様、両側を共にメインにしたい、とのリクエストでしたので、ちょっと苦労しました。ですので通常ガラス厚5ミリが10ミリあります。

まず、ガラス材の両面取りが出来る加工メーカーさんがなかなかありません。そして一番の問題は、組み込む鉛線の隙間は広くても5ミリですので、通常の両面取りをした場合はガラス小口が6ミリ~7ミリで鉛線に入りません。どうすればいいんじゃ?そして重いので強度の問題をクリアしなければ。

ですので、ガラス小口を4~4.5ミリにしてもらう打ち合わせや、各ガラスパーツの大きさの原寸大を出す作業など、設計、金物枠製作、数社のガラス材メーカーとの打ち合わせで、ここ2ヶ月間、様々な仕事の進行のなか、ちょっとタイトでした。

出来上がると両面に面取りする仕様は、重厚感と高級感が出ます。

大きさはワイド約1.5mX高さ3mくらいです。金物は懇意にしているRさんが担当してくれたので、時間が無い中、安心な出来栄え。

「元旦しか休んでないから、これから僕はお正月」って言ってました。お疲れ様でした。

斜めラインや〇などが絡むと、ぴったりと合わせるために、計算と原寸図、原寸型など直線形の数倍、エネルギーが必要です。出来上がった物の背景には、白鳥が水の下で足をバタバタではなく、もう溺れそうな状態。

各自、分業でこちらはTU君とHさんが組んでいるところ、納期まであと2日前の日曜日の夜近く、お疲れサマンサ。

鉛線に入りにくい部分は、TU君の力技、力も技術のひとつ。

タイトなことでも、良いこともあります。今回は神戸の新たな硝子加工会社さんと知り合えたので、今後様々な仕事のガラス材で仕事の広がりが出来、心強いです。

話題になった尾畠さんの言葉   「掛けた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」

少しでも近づけるだろうか・・・