彩色エッチングガラス(建築・エッチングアートガラス)

デザインがシンプルで彩色が細かい、というデザインです。

リボンが立体的に見えていますが、ガラスは1枚物です。1枚のガラスにリボンを彫って、色の濃淡と影で立体感を出しています。

この場合、最初に色を着ける部分は赤いリボンの白、次は影の部分の黒、そしてリボンの赤で、次はグレーのリボンの白、陰の黒・・・と通常は濃い色からですが、ハイライトの白がある場合は、白が最初です。

赤いリボンの影の黒は部分的にグラデーションでうすくしていきます。この様に彩色することで、平面の彫刻が立体的に見えてきます。

でも多彩色は、彫刻よりも何倍も手間と時間が必要です。彩色する前に色を着ける順番など自分で計画し、調色して各色を揃えます。この場合、たとえば黄色のリボンはうすい黄色、中間の黄色、濃い黄色とそれぞれ作らなければいけません。

中間の黄色をうすく塗ってもうすい黄色にはならず、厚く塗っても濃い黄色にはなりません。

彩色エッチングアートガラスは、完成するときれいですが、制作はけっこう大変です。それに基本は裏面からの彩色なので正面の状態が見えないので、何度も正面から確認します。だんだん、へばってきます。

この技法を習得すると、ガラスサインで色のグラデーションのが表現できます。

まだマスキングテープを剥がしていない状態なので、制作途中の印などがありますが、マスキングテープを剥がせるのは、色が完全に硬化しなければ彫ったエッジの色が延びて糸を引き、せっかくの色の上に被り、汚くなります。

アートガラスの場合は色を乾かすのでなく、低温焼付けや薬品で硬化させます。ですので24時間、大きな面積の場合は72時間はマスキングのままです。

アートガラスの彩色の色材は白以外、屋外には適してないません。数年すると紫外線などで濃い色ほど退色してきます。その場合は、セラミックの色のフィルムを、ガラスの間に挟む加工があります。

色は好みもいろいろで、難しい加工です。