積層アートガラス(立体)(接着アートガラス)

U氏とTU君が数日、積層ガラスのオブジェと格闘しているので、積層接着アートガラスのお話。

10数年前から積層ガラスを制作しやすい接着剤が出たので、様々な積層ガラスがいろいろな工房で制作されています。

だた接着しやすい、といってもこれがなかなか癖のある接着剤です。まず、コツをつかむまでいっぱい泡が入ります。

泡が入らないように出来ても、0.1ミリくらいの気泡が生まれます。入るのではなくて生まれる。これは接着剤に混ざってる目には見えないものが、接着時に横に多少広がるので生まれるわけです。ただし、30センチも離れるとわからないくらいのもの。でも無いに越したことはありませんので、無いように時間をかけて接着していきます。

凹凸のあるガラスは専用の接着剤がありますが、完璧とは言えません。また凸凹の薄いガラスは固まってからヒビが入ることもあります。これが、接着して数日後、なんて厄介なことだったりします。「なんでだ、なんでなんだよぅ」ってなります。

このように何度も何度も冷や汗をかいて、ノウハウをためていきます。

以前に作った階段状の積層ガラス。今は接着剤のメーカー受付に行っちゃいました。

横から見るとこんな感じ。高さは60センチくらい。もっと高く出来ますが、重くなるだけで持てなくなります。

接着する前に重心を考えて積み上がれば、崩れることはありません。逆に接着だけできわどい形にしても、経年経過で接着剤が持たないことがあるので、接着剤だけで固まっている形は作りません。

接着剤が万能、と考える人が多いですが、どんな接着剤も経年劣化しますので、ご注意。歯に詰めた銀や差し歯、とれちゃうでしょ。

後輩のWBちゃん、INちゃんが作ったガラスのエッフェル塔。ホテルのフランスフェアで作ったとのこと。彼らはホテルの演出の仕事をしています。これ、でかいです、2mくらいかな。重さもけっこうありますので、3分割で積み上げたそうです。

ガラスに光が反射されて、美しい。

彼らも氷彫刻出身なんで、積み上げる重心のコツが身体に染み付いています。3~5mと大きな氷彫刻も重心さえしっかりしていれば、溶ける時にも崩れません。最後まで溶けてゆくだけ。

数mの大きな氷彫刻は重心が狂っていれば崩れて怪我したり命にかかわるので、重心はいやでも身につきますよ。