ステンドグラスを組む技法(建築用ステンドグラス)

先週まで渋谷にてエッチングガラスの設置で通いましたが、お江戸は暑いこと。当工房は葉っぱと山ばかりの葉山なので、暑いといっても都会よりは過ごしやすいです。

渋谷の設置場所がスクランブル交差点から近く、夕方までに完了しないと夜はサッカーサポーターが集まり、もみくちゃになるのでそのことも考慮しながらの設置でした。

現在、宿題のひとつ、ホテルエントランスのステンドグラスのデザイン依頼で悩んでいますので、よく質問されるステンドグラスの鉛のお話を。

鉛線の技法は2パターン。写真左は銅のテープを巻いて、ハンダでとめてゆくもの。細かいガラスピースの場合に使います。ですのでランプなどは主にこの技法。ティファニーの息子であるルイスCFティファニーが考えた技法で、アメリカンタイプとも呼ばれます。隙間が大きく開くとハンダが埋まらないので、ガラスの隙間は理想は1ミリくらい。こちらはハンダを全面につけます。

もうひとつの技法は写真右のケイムという鉛線を使うタイプ。形がHになっていてみぞにガラスを差し込んで、接点をハンダでとめます。様々な太さの鉛線があります。主に大きなパネル状のステンドグラスに適しています。欧州の教会のアンティークステンドで使われているので、ヨーロッパタイプとも言います。

この仕様は鉛線に差し込んだだけでは弱いので、隙間にパテを入れ込み、固定します。

ニッカウヰスキーのステンドグラス、鉛線は両方の技法を使っています。楕円の中の細いのはアメリカンタイプ、その外の太いのがヨーロッパタイプ。

このステンドグラスはちょうど、NHKのまっさんを見ていた時期でしたのでテンション高く制作でき、その後 他の仕事で余市の町まで行ける機会があり、ニッカの創業の工場へも行け、うれしかったであります。