エッチングガラスのリペア(建築、住宅エッチングガラス)

25年前ほどに自宅を新築されたときにオリジナルで作ったエッチングガラスが割れてきた、ということで当工房の制作ではないのですが、困っていらっしゃるので診断に行きました。

数年かけて、何にもしなくても徐々にヒビが大きくなる、ということで、見ましたらガラスをとめている枠、押し縁という木の枠がガラスにぴったりで、さらにエアーハンマーで強くガラス方向へ釘が打ち付けられており、かなりの負荷がガラス自体にかかっていることが原因でした。

ガラスと枠は基本、1ミリでも隙間を空けなければだめっす。ぴったりの場合はエアーの道具でなく、やはり人の手で枠をビスなどで取り付けます。基本は他部材とガラスは2,5~3ミリ空けます。このくらいなければシリコンというガラス用の接着剤が中まで入っていきません。

基本を守れば、大きな地震でもしっかりと割れないものです。3,11や今回の大阪も連絡が入ってきていないので、過去に設置したアートガラス、エッチングガラス、ステンドグラスは無事のようです。

作ったところに連絡をしたほうがよろしいですよ、と言いましたが、もう連絡が取れないとか・・・

気に入っているので同じデザインで作ってほしい、とのご要望でしたが、半透明や細かい模様などけっこうがんばっている内容でした。95%は似せれますが100%は無理です、でご依頼いただき、無事に完成。

3ミリラインを彫り、ベースはくもりと半透明部分はくもりを50%くらいにおさえて、フッ酸処理をしました。細かい柄は特殊な方法で出します。大きさは1200x900ミリでした。

このような場合は、柄をトレースすれば、かなり同じものが出来ます。でも100%ではありません。90~95%くらい。

ガラスが割れる原因のひとつに、熱があります。太陽や強い照明などがガラスの近くで長く当たっていると、当たっていない部分との分子レベルで開きが出るので、割れます。熱割れと言いますが、割れ方がくねっているのでわかります。対策は強化ガラスや耐熱ガラスにすること。

ガラス屋も長くやっていると、割れた原因が見るとわかるものです。逆にガラスの事しか、わからなくなってきますが・・・