ガラス窓の始まり(ロンデルステンドグラス)

CM社のKMさんにお世話になりましたシャンデリアの空間にありました明かり取りのロンデルガラスです。

ビンの底のような丸いガラスを鉛でつなぐ技法。これがガラス窓の始まりです。街中でみる一枚ガラスで大きなものを作れるようになるまで、日本でも国家事業でした。そのくらい難しい技術で文献を読むと、とても苦労した歴史があるようです。

ですので先人は知恵を使って、丸い小さなガラスを組んで一枚のガラスにしたわけです。なんでも初めて作る人はすばらしく偉大。

このロンデルガラスは今でも入手はできます。色もいろいろあります。組むときに気をつけることは、工業製品のように大きさが一定、ではないこと。合わせる調整で削りまくる覚悟は必要です。

グリーンと水色のロンデルステンドはもう20年前くらいに教会に設置したもの。HRさんが苦労して調整しました。ちょくちょく仕事で行く場所なので、今でも美しくきらきらしています。

棒の先でくるくるっと丸く作るので、中心にへそがあります。一個10センチから15センチくらいのものです。

現在は外部に面した場所では、ロンデルステンド含め、ステンドグラスは風雨を防ぐために透明ガラスを一枚、当てます。

昔に制作されたヨーロッパのステンドは透明ガラスが無いために、風雨でかなり鉛が劣化して、ステンドグラス自体も膨らんでいます。ガラスは劣化しません。

ベネチアでは数百年前のロンデルステンドが、それこそ何千枚と街中にありますが、すべて歪んでいます。

もっとも、地盤がゆるいので建物も高い塔もすべて斜めっていますが。建築物では直角水平が、まったくありません。それでも、居心地は最高な街。